
インプレスグループで鉄道・旅・歴史メディア事業を展開する株式会社天夢人は、2018年9月20日に『粋を食す 江戸の蕎麦文化』(花房孝典・著)を刊行する。
蕎麦がなぜ江戸の食の代名詞のひとつになったのか
江戸の食といえば、鮨、天婦羅、鰻、そして蕎麦。しかし蕎麦は、鮨、天婦羅、鰻と異なり、いわゆる「江戸前」の食材を使わない上に、その産地は信州や東北など他の地域だ。それにもかかわらず、蕎麦がなぜ江戸の食の代名詞のひとつになったのだろうか。
同書は、「江戸の蕎麦」の成り立ちから庶民に広まった背景や食事情などを、あたかも蕎麦を手繰るようにひも解く江戸の蕎麦雑学事典だ。
蕎麦の奥深さを探るユニークな蕎麦考
蕎麦はなぜ江戸っ子たちにもてはやされ、江戸の粋を語る上で欠かせない食となり、確固たる地位を築くようになったのか?
そして、二八そばの正体とは? など、蕎麦にまつわる謎をはじめ、「砂場」「藪」「更科」の老舗蕎麦屋の誕生、落語と蕎麦、歌舞伎と蕎麦などさまざまな切り口で蕎麦の奥深さを探るユニークな蕎麦考である。
●筆者プロフィール
花房孝典(はなふさ・たかのり)
1946年、名古屋生まれ。作家・評論家。慶應義塾大学法学部卒業。雑誌『ホットドッグ・プレス』の創刊メンバーで同誌名の案出者。著書に『柳』『コリア・ビギナーズ・ブック』『銀座の歩き方』など多数。 (慶尾六郎)